コインランドリー投資について

コインランドリー投資は、店舗に業務用の洗濯機・乾燥機を設置し、利用料金から収益を得る事業です。無人で24時間営業でき、本業と並行して運営できることから、副業や土地・空き店舗の活用方法として注目を集めてきました。

ほとんどの家庭に洗濯機がある時代に、なぜコインランドリーが利用されるのか。その理由を理解することが、立地選びや収支計画の出発点になります。本記事では、需要の背景、開業スタイル、費用構造、リスクと対策を整理したうえで、トランクルーム投資との違いを比較します。

この記事のポイント

  • コインランドリーの強みは「ガス乾燥機」と「大物洗い」。家庭の洗濯機では代替しにくい需要がある
  • 初期投資は1,500万〜2,000万円程度と大きく、表面利回りは25%前後が一つの目安
  • 売上は天候や競合の影響を受けやすく、水道光熱費と機械の更新費が収益を圧迫しやすい
業務用洗濯機が並ぶコインランドリーの店内

家に洗濯機があっても、コインランドリーが使われる理由

ガス乾燥機の仕上がりと時短

コインランドリーのガス乾燥機

家庭用のドラム式洗濯乾燥機の多くは電気で乾燥させますが、コインランドリーの乾燥機はガス式が主流です。高温の大風量で一気に乾かすため、短時間でふんわりと仕上がります。コインランドリーは「洗濯機ビジネス」というより、実は「乾燥機ビジネス」といえるほど、乾燥機の利用が売上を支えています。

家庭では洗えない大物の需要

布団、毛布、カーテン、ラグなど、家庭用の洗濯機に入らない大物を洗える点も大きな利用動機です。季節の変わり目には大物洗いの需要が高まります。

共働き世帯の増加と天候・季節要因

洗濯物をまとめて短時間で片付けたい共働き世帯や子育て世帯の利用が増えています。また、梅雨や長雨、花粉の季節、冬場に外干しができない寒冷地では、乾燥機の需要がさらに高まります。

開業スタイルの選び方

コインランドリーは、駅前や繁華街でなくても、郊外の幹線道路沿いや住宅地で運営できる業態です。賃料や物件価格の安いエリアでも出店できるため、損益分岐点を抑えやすいのが特長です。物件を所有していなくても、賃貸の店舗で開業できます。

開業スタイル特徴注意点
フランチャイズ加盟商圏調査、機器選定、集客、運営代行などのノウハウを活用できる加盟金・ロイヤリティなどの費用がかかる。契約条件と撤退時の取り決めを確認
独自ブランド店舗デザインや料金設定を自由に決められ、ロイヤリティが不要商圏調査や機器選定を自分で行う必要がある。市場調査の精度が成否を分ける
賃貸店舗に出店土地・建物を持たずに参入できる家賃が固定費になる。給排水・ガス・排気設備の工事可否を事前に確認
自己所有地に建築家賃がかからず、駐車場を広く確保しやすい建物の建築費が加わり、初期投資がさらに大きくなる

コインランドリー投資のメリット

無人営業で本業と両立しやすい

スタッフの常駐が不要で、24時間営業も可能です。最近の機器は売上や稼働状況を遠隔で確認でき、清掃や集金を外部に委託すれば、オーナーの作業時間を抑えて運営できます。

生活に根ざした安定需要

洗濯は毎日の生活に欠かせない家事であり、景気の影響を比較的受けにくい需要です。洗濯機の置き場所が限られる住まいや、時間を節約したい世帯にとって、生活インフラとしての役割を果たします。

在庫や仕入れがない

物販や飲食と違い、商品の仕入れや在庫管理、食材ロスがありません。売上から水道光熱費などの経費を差し引いたものがそのまま利益になる、シンプルな収益構造です。

地域の暮らしに貢献できる

高齢者や子育て世帯など、日々の家事負担を軽くしたい地域住民の暮らしを支えるサービスとして、地域に必要とされる事業になり得ます。

コインランドリー投資のデメリットと注意点

初期投資が大きい

業務用の洗濯機・乾燥機は高額で、内装・給排水・ガス工事を含めると、初期投資は1,500万〜2,000万円程度が一般的です。遠隔管理やキャッシュレス対応など機器の高機能化に伴い、設備投資額は上がる傾向にあります。「流行っているから」という理由だけで参入するのは危険です。

売上に関係なく発生するランニングコスト

コインランドリーのランニングコストとなるガス設備

コインランドリーの経費で大きな比率を占めるのが水道光熱費で、売上の20%前後になるといわれます。照明や空調の電気代は売上に関係なく発生するため、売上が想定を下回ると利益が大きく圧迫されます。

主な経費内容性質
水道光熱費洗濯の水道代、乾燥機のガス代、照明・空調の電気代売上の20%前後が目安。一部は売上に関係なく発生
家賃賃貸店舗の場合の賃料固定費
清掃・集金・巡回店内清掃、両替機の補充、トラブル対応委託する場合は固定費
機械の保守・修繕定期点検、誤使用などによる故障の修理不定期だが毎年発生する前提で予算化
機械の更新洗濯機・乾燥機の入れ替え数年〜十数年ごとに高額な更新費用が発生
ローン返済融資を利用した場合の元利返済固定費

融資を受けて開業する場合は、返済額を含めた月々のキャッシュフローと、売上が想定の7〜8割にとどまった場合の収支を必ずシミュレーションしておきましょう。

天候と競合に売上が左右される

雨の日や梅雨時期は売上が伸びる一方、晴天が続くと利用が減るなど、天候による売上の波があります。また、ここ数年で出店が増えたエリアも多く、近隣に大型店ができると売上が大きく落ち込むことがあります。

「完全放置」はできない

無人営業とはいえ、店内の清掃、糸くずフィルターの掃除、忘れ物や機械トラブルへの対応、防犯対策は欠かせません。店内の清潔感はリピーターの獲得に直結するため、管理の質が売上を左右します。

撤退時のコストが大きい

賃貸店舗の場合、撤退時には機械の撤去と原状回復の費用がかかります。店舗ごと他のオーナーに譲渡できる場合もありますが、売上実績が乏しい店舗は買い手が見つかりにくいのが実情です。

成功させるための出店チェックポイント

  1. 商圏の世帯構成を調べる
    ファミリー世帯や共働き世帯が多いエリアか、単身向けの集合住宅が多いエリアかで、必要な機器構成が変わります。
  2. 競合店の位置と規模を確認する
    半径数キロ以内の既存店の台数、料金、清潔感、駐車場の有無を実際に見て回りましょう。
  3. 駐車場と入りやすさ
    大物を運ぶ利用者が多いため、店舗前に停めやすい駐車場があるかどうかは重要な要素です。
  4. 設備工事の可否を確認する
    賃貸物件では、ガス・給排水・排気ダクトの工事が可能か、容量は足りるかを契約前に確認します。
  5. 保守体制と機械更新の計画
    故障時に駆けつけてもらえる保守体制と、将来の機械更新費用を見込んだ資金計画を立てておきます。

コインランドリー投資とトランクルーム投資の比較

どちらも無人で運営できるビジネスですが、初期投資の規模、売上の安定性、維持費には大きな違いがあります。

比較項目コインランドリー投資トランクルーム投資
投資額の目安1,500万円〜250万円〜
表面利回りの目安25%前後自己所有物件:50%以上
賃貸物件:20%以上
収益の立ち上がり開業直後から利用があるが、日々変動する1〜2年かけて稼働率が徐々に上がる
収益の安定性天候・競合に左右されやすい多数の利用者との月極契約のため安定しやすい
主なランニングコスト水道光熱費(売上の20%前後)、清掃、保守水道・ガスが不要で、主に照明・空調などの電気代
修繕・設備更新機械の故障対応と高額な入れ替え費用が発生設備がシンプルで、修繕費はほぼかからない
撤退時機械撤去・原状回復に費用がかかる。譲渡できる場合もある稼働中の店舗として他の投資家へ売却が可能
※トランクルーム投資の数値は、プラスルームの運営実績をもとにした目安です。物件の条件により異なります。

コインランドリーは「早くから売上が立つが、投資額と維持費が大きい」事業、トランクルームは「立ち上がりに時間はかかるが、少額で始められ、稼働後は月極収入が積み上がる」事業といえます。トランクルーム投資の詳細は、投資のメリット・投資の利回りをご覧ください。

よくある質問

Q. コインランドリーの開業資金はいくら必要ですか?

機械の台数や店舗の広さによりますが、機器・内装・設備工事を含めて1,500万〜2,000万円程度が一般的な目安です。建物から建てる場合は、さらに建築費がかかります。

Q. 郊外や人通りの少ない場所でも運営できますか?

可能です。コインランドリーは車で来店する利用者が多いため、駅前である必要はありません。賃料の安いエリアなら損益分岐点を下げられます。ただし、駐車場の有無と競合店の状況は必ず確認しましょう。

Q. 本業がありますが、副業として運営できますか?

無人営業のため副業として運営しているオーナーも多くいます。ただし清掃・集金・トラブル対応は必要なので、自分で行うか、委託するかを決めて費用に織り込んでおきましょう。

Q. 節税目的で始めても大丈夫ですか?

設備投資に対する税制上の優遇が使える場合もありますが、制度には要件や期限があり、内容は改正されることもあります。節税効果だけで判断せず、事業として利益が出るかを最優先に検討し、具体的な税務は税理士にご相談ください。

まとめ

コインランドリー投資は、ガス乾燥機や大物洗いといった家庭では代替しにくい需要に支えられ、無人で運営できる魅力のある事業です。一方で、初期投資が大きく、水道光熱費や機械の更新費が収益を圧迫しやすいうえ、天候や競合の影響も受けます。

検討時に押さえたい3つのポイント

  • 市場調査:商圏の世帯構成と競合店を、自分の目で確認する
  • 資金計画:水道光熱費・機械更新・ローン返済を含め、売上が想定を下回った場合も検証する
  • 運営体制:清掃・トラブル対応・保守を誰が担うかを開業前に決めておく

無人で運営できるビジネスを検討する際は、コインランドリーだけでなく、トランクルームなど投資規模や維持費の異なる事業とも比較し、ご自身の資金計画と運営にかけられる時間に合った方法を選ぶことが大切です。


今野 裕朗

今野 裕朗(こんの ひろあき)
株式会社錦屋 代表取締役 / 一般社団法人日本レンタルボックス協会(トランクルーム協会) 副理事長/公益社団法人全日本不動産協会神奈川県本部横浜支部 教育流通委員会委員/宅地建物取引士

直営・FC合わせて全国230店舗以上の屋内型トランクルーム「プラスルーム」を展開・運営。 自ら店舗開発・物件仕入れ・Web集客・直営店売却を手掛けてきた現場経験をもとに、表面利回りに惑わされない「実質利回り」「失敗リスクの防ぎ方」など、現役経営者の一次情報に基づいたトランクルーム投資ノウハウを発信しています。

>> [代表者プロフィール・詳細経歴はこちら]

少額から始められ、機械の更新費に悩まない無人ビジネスを検討してみませんか?

全国230店舗以上の運営実績をもとに、トランクルーム投資の仕組み・収支・リスクを個別にご説明します。

    ※お名前

    ※メールアドレス

    ※郵便番号 

    ※住所

    ※電話番号

    ※お問い合わせ内容

    メッセージ本文